近年では黒服が仏事の礼服として一般化しています。そのため遺族、親族弔問客も黒服を着用するようになりました。
しかし、黒服は生と死の境界線上に位置づけられる通夜では喪服の着用はふさわしくないという考え方もありますので弔問する場合は派手でなく、きちんとした服装であれば問題ないと思います。
子供さんは制服または白のブラウス、カッターシャツ、黒のスカート、ズボンであれば問題ないでしょう。
通夜は本来、家族をはじめ親族、特に親しかった人々だけが、故人との別れを偲ぶ夜でもあります。
ですが、通夜は夕方から夜、葬儀は普通午前中から昼ごろに行われるため、現在は、仕事等などで昼間に参列できない方々が葬儀に弔問するよりも、通夜に弔問する傾向が増えてきました。
通夜の方が葬儀よりも参列者が多いことが普通となってきました。
お香典に関しては、喪家との親しさ、包む側の社会的地位、地方の習慣などがあり、一概にいくらと決めることは難しいようですが、一般的には、5,000円が多いのではないでしょうか。
近隣の方で3,000円(地域によっては香典無しや返礼品受取り無し等の風習も見られます。)親族10,000~30,000円前後、家族50,000~100,000円前後が相場ではないでしょうか。
かつて仏事には偶数は使わないとされていましたが、現在ではそうとも言えません。
香典は、新札だと「この日のために用意しておいた」と言うふうに 思われるので、新札を使用するのは避ける様に言われます。
会社の部署で出す場合。 | 数人で出す場合、代表者の名前を書き、「外一同」とする。全員の名前は別紙にして袋の中に入れておく。 | 連盟で出す場合、右から目上の人の名前を書き、以下左へ続ける。 | 個人で出す場合、氏名を中央に書く。 |
一般的には包んで行かれた方がいいと思われます。大切なものをお盆に載せて渡すものと同じです。しかし急なことですから必ずしも必要であるわけではありません。
浄土真宗においては「御霊前」は用いません。それは、亡くなられた時点で仏様という教えだからです。禅宗においては、教えに浄土はありませんので「御仏前」とするのが一般的です。こうしたことから「御香典」「御香料」が中立的な表現となります。
キリスト教で「お花料」、神道で「御玉串料」「御榊料」とするのは「御香料」などと同じ使い方になります。
総体的に見ますと、会葬者の立場に立つ場合、喪家の宗教、宗派を理解して参列するとは限らず、自らの宗旨で上書きを選択していいと思います。
悲しみある人に悲しい事実を忘れることを強いるのはマイナスになります。
がんばれ、しっかりしろ等の言葉は励ましのつもりが、悲しみある人にはかえって負担となってしまいます。悲しみの状態を理解し寄り添うことが大切です。同じ目線に立ってその人の想いに聴き耳を傾けましょう。
葬儀での故人とのお別れをする際は仏教葬では焼香、キリスト教の葬義や無宗教葬では生花の献花が一般的です。神葬祭では玉串をもって拝礼します。
焼香は宗派によって、それぞれ回数等の違いがありますが、それぞれの宗旨に合わせ気持ちを込めてご焼香いただくことが大切だと思います。
※難しいようであれば茎部分を神前に向ける様、奉奠しましょう。
数珠は念珠とも言われ、仏さまやご先祖さまを拝む時などに回数を記憶する為のものとされています。「数を念ずる」「数を記す」そして「念仏を唱えて手を合わす」といろいろな意味合いで使われています。
正しい持ち方として、座っているときは左手首にかけ、歩くときはふさを下にして左手で持ちます。(左手は仏様の清浄な世界、右手は信仰の世界、私たちの世界を指していると言われます。)
焼香の際はふさを真下にたらし、合掌し親指と人差し指で軽く押さえるようにします。席を立ったりする際は椅子等に置いていくのはマナー違反になりますので注意を。
数珠が切れると縁起が悪いと言われたりしますが、長い期間使用すると数珠の糸が劣化し切れることもあります。
それだけ使用した証でありますので、縁起が悪いということはありません。
切れたものは菩提寺で供養するか仏壇店へ修理をお願いしましょう。
通夜と重なった場合は葬儀に参列する方が望ましいと思います。参列が難しい場合、弔電や香典をお願いしたり、後日差支えなければ、自宅へお参りされるという方法もございます。